ますい’s diary

子育てと趣味(自転車、酒、書評)など、書けたらいいな。

サントリーニ(Santorini)2016,Roxley Games.

  一瞬話題になったが、日本語訳付があまり出回らなかったので、すぐに鎮静化してしまった2人ベストのアブストラクトゲーム

 私は神カードは使わずに、基本ルールのみで遊ぶのが好き。基本ルールのみでも、むしろだからこそ、シンプルで奥深いアブストの世界が垣間見れる。原版が2004年なので、来年に20周年版出ないかな?とおもってら、今年(2023年)にキックスターターCo-op & Deluxe Pantheon Editionやってたのね。でも、このゲームはデラックス版を出すまでもなく、通常版でももっと普及しそうなのに。望みは少ないが、今後日本でも正式な取り扱いがなされるとうれしいな。こういった、アブストっぽくないかわいい外観から初めてプレイしてもらって、ガッチガチのアブストの楽しさを知っていただきたい。

 あー、その意味では、アズール(AZUL)がかわいいふりしてガチマルチ枠の成功者かな。そのわりには、後続が続かないのと、、、そもそもアズールって、ガチに勝ちに行くプレイで遊ばれないのではと思っている。

 アブストや2人用ゲームが好きな人は、相手を殺すこと=自分の勝利であるので、相手への妨害や直接攻撃は当然のことであり、義務である。ゼロサムゲームにおいて、遠慮など介在しえない。しかし、普段多陣営ボードゲームになれている方は、相手の得点をマイナスにすることよりも、自分の得点をプラスにすることが正しいとする思考がなされる。たとえ、相手のマイナスポイントより、自分のプラスポイントが少なくとも。なので、アズールを3人以上でプレイする場合は、やさしい世界(=エンドトリガーを引かずに、得点を伸ばし続ける世界)が発生する。それが、アズールの魅力、普及につながったのかと思う。

 サントリーニは3人でプレイしても、強制的にエンドに収束(無駄な間延びは許されない)していくゲームデザインなので、アズール的なやさしい世界は発生しえない。一方で、サントリーニの3人プレイでは明確なキングメーカーが発生しやすいので、キングメーカー(=勝者を決定するという行為)に自覚的になるという副次的効果がある。この場合の勝者を決定するプロセスでは、やさしさが介在する余地があり、多人数マルチの構造を理解しやすい。