深夜に地上波放送されているものを、偶然録画したもの。
事前情報なしで見たが、たまげた。映画を見ていて、見終えてもこれほど淡々と感情を揺さぶられ、静かに辛く・苦しい映画を見たのは初めてかもれない。ドラマチックな悲劇ではなく、ドキュメンタリータッチで淡泊である。しかしそれゆえ、凄みがあり、惹きつけられる。映画の世界に没頭されられるが、主人公に感情移入するというよりかは、自分も一人の傍観者として没入した感じであった。
男性保育士が、女児のささいないたずらでついた嘘によって、町の人からの偏見と差別される話である。題材自体が目新しいとか、強いメッセージ性があるという訳ではない。
偏見と差別という、残念ながら普遍的にあるものを描いている。執筆時の2020年は新型コロナウイルスによる偏見や差別が問題となった時代である。この映画を見て、もう一度自分の行いや考え方を見直して頂きたい。
ただ、大変良い「映画」ではあるが、物語が重すぎて、もう一度見たいとはなかなかならない。しかし、人生で必ず一度は見て頂きたい映画である。